「Kindle Unlimitedで読まれたら、印税はいくら入るの?」
「KDPのレポートにある『既読KENP』って、印税とは違うの?」
「1ページ読まれると何円になる?」
Kindle本を出版したあと、KDPのレポートを見てロイヤリティの数字は気になりますよね。
Kindle Unlimited(読み放題サービス)で読まれた場合、本が1冊売れたときのように販売価格からロイヤリティが決まるのではなく、実際に読まれたページ数をもとに収益が計算されます。
そのとき使われる単位が「KENP」です。
ただし、KENPは「Kindle本の1ページ=1KENP」という意味ではなく、「1KENP=○円」と固定されているわけでもありません。
この記事では、KENPとは何か、Kindle Unlimitedで印税が入る仕組み、1KENPの金額がどう決まるのか、KDPレポートの数字をどう見ればいいのかを初心者向けに解説します。
KENPとは?
KENPは、Kindle Unlimited(読み放題サービス)でどのくらい本が読まれたのかを見るために使われる数字です。
KDPのレポートを理解するには、最初に「KENP」と「KENPC」を分けて覚えておくと迷いません。
既読KENPはKindle Unlimitedで読まれたページ数
KENPは、Kindle Edition Normalized Pagesの略です。
KDPレポートの「既読KENP」には、Kindle Unlimitedを利用した読者が、その本を何ページ読んだのかが表示されます。
たとえば、KDPレポートに、
既読KENP 250
と表示されていれば、Kindle Unlimitedを通じて、その本で合計250KENPが読まれたという意味です。
ここで気をつけたいのが、「250冊売れた」「250人が読んだ」という意味ではないことです。あくまで読まれたページ数をKENPというAmazon独自の基準で表した数字です。
KENPとKENPCは意味が違う
KENPに似た用語で「KENPC」というものがあります。
名前が似ているため、KENPとKENPCは混同されやすいところです。
KENPC(Kindle Edition Normalized Page Count)は、そのKindle本がAmazonの基準で何ページに相当するのかを計算したページ数です。
Amazonは、フォント、行の高さ、行間などを標準化した条件でKENPCを計算しています。本文だけでなく、画像、表、グラフなどもKENPCに含まれます。
初心者向けに分けるなら、
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| KENPC | その本の基準となるページ数 |
| 既読KENP | Kindle Unlimitedで読者に実際に読まれたページ数 |
と考えるとわかりやすいですね。
「KENPC=自分の本は何ページ分あるのか」と「既読KENP=実際に何ページ読まれたのか」は別の数字です。
Amazonの商品ページのページ数とは一致しない
Amazonの商品ページには、ページ数が表示されます。ただし、
この本は120ページだから、全部読まれたら120KENPになる
ということではありません。
KENPCはAmazonが標準化した書式をもとに計算するため、読者がKindle端末で見ている画面数や、Amazonの商品ページに表示されているページ数と同じ数字になるとは限らないからです。紙の本の「○ページ」と同じ感覚で考えないほうがいいです。
KENPでロイヤリティが発生する仕組み
既読KENPの数字がつくのは、Kindle Unlimited(読み放題サービス)でKindle本が読まれているからです。ただし、Kindle本を出版しただけで、すべての本にKENPが付くわけではありません。
KDPセレクトに登録するとKindle Unlimitedの対象になる
自分のKindle本をKindle Unlimited(読み放題サービス)で読めるようにするには、KDPセレクトへ登録します。KDPセレクトとは、Kindle本向けの90日間のプログラムで、登録するとそのKindle本は自動的にKindle Unlimitedの対象になります。
KDPセレクトに登録するには諸条件があります。
・登録期間中の90日間は、その本の電子書籍版をAmazonで独占販売すること
たとえば同じ電子書籍を別の電子書店でも販売したい場合は、対象外となります。KDPセレクトは電子書籍を対象としたサービスでペーパーバックなどの紙本は含まれません。
初めて出版するときに、「Kindle Unlimitedにも自動的に出るんだろう」と思い込まず、KDPセレクトへの登録状況を確認してください。
Kindle Unlimited(読み放題サービス)と一冊購入では収益の仕組みが違う
Kindle本の収益には、大きく分けて2つの入り方があります。
1つは、読者がKindle本を通常購入した場合。
もう1つが、Kindle Unlimitedの読者に本を読まれた場合です。
通常購入なら、設定した販売価格とロイヤリティ条件をもとに収益が計算されます。
一方、Kindle Unlimitedでは、読者が本を利用しただけで「1冊販売」として同じ金額が入るわけではありません。実際に読まれたKENPをもとにロイヤリティが計算されます。
そのためKDPレポートで、「注文数は少ないのに、既読KENPだけ増えている」ということがあります。これはバグではなく、Kindle Unlimited経由で読まれているということです。
読まれたKENPに応じてグローバル基金から分配される
Kindle Unlimitedのロイヤリティには、KDPセレクト グローバル基金が使われます。その月に用意された基金をもとに、各マーケットプレイスで読まれたKENPに応じて著者へ分配される仕組みです。
たとえば、ある読者がKindle Unlimitedで本をダウンロードしても、ほとんど読まずに終われば、著者が得る既読KENPは少なくなります。
反対に、本文を読み進めてもらえば、その読まれた範囲が既読KENPとして記録されます。実際に読まれた量がロイヤリティに関係するのが通常販売との大きな違いです。
1KENPはいくらになる?
KENPを知ったあと、次に気になるのが、「では、1KENPで何円もらえるの?」という点です。
1KENPの金額は固定されていない
ネット上の情報で「1KENP=0.4円」など、数字を見かけることがありますが、KENPレートは毎月変動します。
そのマーケットプレイスに割り当てられた基金額と、その月に読まれたKENPの総数から計算されます。
つまり、過去の単価を見て、1000KENP読まれたから500円の印税になるとは計算できません。
概算するときに前月のレートを参考にすることはできますが、確定した金額ではありません。
前月分の基金額は翌月15日頃に発表される
KDPでは、前月のKDPセレクト グローバル基金の金額を、翌月15日頃に発表しています。たとえば8月に読まれたKENPについて、8月中に見えている数字だけで最終ロイヤリティを断定することはできません。その月の既読KENP自体も途中で変更される場合があります。
出版直後にレポートを見て、「先月より金額が減ってる」となっても、それだけでトラブルとは判断しないでください。
「112.9億円」は日本のKENP単価ではない
2026年8月現在、KDP公式ページを確認すると、2026年7月のKDPセレクト著者総収益は112.9億円と表示されています。
この数字だけを見ると非常に大きく感じますが、112.9億円 ÷ 日本の既読KENPという計算で日本の1KENP単価を出すことはできません。
112.9億円はKDPセレクト著者全体の総収益として表示されている数字で、KENPレートはマーケットプレイスごとの基金額と既読KENPをもとに決まります。
既読KENPはKDPレポートで確認する
Kindle本を出版したら、既読KENPはKDPのレポートから確認できます。本が売れた冊数を見る場所と同じように、出版後に定期的に確認できる数字の1つです。
KDPレポートの「既読KENP」を見る
KDPへログインし、上部メニューから「レポート」を開きます。
レポートには注文数や推計ロイヤリティ、既読KENPなどが表示されます。
既読KENPのレポートでは、本のタイトルやマーケットプレイスなどで絞り込んで確認できます。複数冊出版している場合は、「どの本がKindle Unlimitedで読まれているのか」を本ごとに見ることもできます。

既読KENPを見るときの確認項目
最後に、KDPレポートを開いたときに確認する項目を整理します。
□ 「注文数」と「既読KENP」は印税の仕組みが違う
□ 本ごとに既読KENPを確認できているか
□ マーケットプレイスを確認しているか
□ レポート上の当月の数字は確定値ではない
□ 古い「1KENP=○円」の情報だけで収益を計算していないか
初めてKDPレポートを開いたときは、「売れた冊数」だけを見てしまいがちですが、KDPセレクトに登録しているなら、既読KENPも別の収益につながる数字としてチェックしてください。
★Kindle出版の「今」を確認したい方へ
Kindle出版では、KENPのレートやKDPの仕様など、出版後も確認しておきたい情報があります。メルマガでは、ブログでは書ききれないKDPの最新情報や、出版サポートの現場で見つけた初心者がつまずきやすい点をお届けしています。
