Kindle本のタイトルが決まったあと、「サブタイトルには何を書けばいいんだろう?」と迷う人は少なくありません。タイトルですでに本の内容を伝えているため、似た言葉を繰り返したり、反対に情報を詰め込みすぎて長くなったりしやすいところです。
サブタイトルは、長く詳しく書けば伝わるわけではありません。タイトルだけではわからない情報の中から、読者が本を選ぶときに必要なものを選びます。タイトルとの組み合わせ方がわかれば、何を入れて何を削るかも判断しやすくなります。
この記事では、Kindle本のサブタイトルに入れる情報の選び方、タイトルとの組み合わせ方、作成手順、よくある失敗について具体例を交えて解説します。
Kindle本のサブタイトルには何を書く?
サブタイトルには、本の内容をもう一度説明するのではなく、タイトルを読んだだけではわからない情報を入れます。
たとえば、
タイトル
初めてのKindle出版
これだけでも、Kindle出版について書かれた本だとはわかります。
ただ、Wordを使って原稿を作る本なのか、KDPへの出版申請まで解説しているのか、出版後の販売方法まで扱っているのかは判断できません。
そこで、
Microsoft Wordで原稿作成から出版申請まで進める初心者向けガイド
というサブタイトルを付ければ、使うソフトと解説範囲が見えてきます。
タイトルで「何についての本か」を伝え、サブタイトルで「どんな本なのか」を具体化する。この分担で考えると作りやすくなります。
タイトルにない情報をサブタイトルで補う
よくある失敗が、タイトルを少し言い換えただけのサブタイトルです。
たとえば、
タイトル
50代から始めるKindle出版
サブタイトル
50代初心者のための電子書籍出版入門
文章としては成立していますが、「50代」はそのまま重複しています。「Kindle出版」と「電子書籍出版」、「始める」と「初心者向け」も近い内容です。
文字数が増えたわりに、本について新しくわかることがほとんどありません。
これを、
会社員経験を一冊の本にして副業につなげる方法
とすれば、会社員としての経験を本にすること、出版を副業につなげる内容であることが加わります。
「会社員」「副業」など、本の内容と一致する検索語も自然に増やせます。
ただし、検索されそうな言葉を入れることが先ではありません。
サブタイトルを読んで、
「そういう本なのか」
と読者が理解できることが先。その中に検索で使われる言葉が自然に含まれている形を狙います。
サブタイトルに入れる情報の選び方
では、何を補えばいいのでしょうか。
候補になるのは、主に次のような情報です。
| タイトルだけでは不明なこと | サブタイトルで補える情報 |
|---|---|
| 誰向けかわからない | 50代会社員、個人事業主、初めて出版する人など |
| 方法がわからない | Wordを使う、Canvaで作るなど |
| どこまで扱うかわからない | 原稿作成から出版申請まで、企画から販売までなど |
| 本を読んだ先が見えない | 自分で出版できる、副業につなげるなど |
この表を全部埋める必要はありません。
タイトルですでに伝わっている情報を消していくと、サブタイトルに必要なものが見つかります。
たとえば、
タイトル
Wordで作るKindle原稿
なら、使用するソフトも扱う内容もすでに入っています。
ここへ「Wordを使った電子書籍原稿の作り方」と付けても、新しい情報はほとんど増えません。
この場合は、どこまでできる本なのか、どの読者に向けた内容なのかなど、タイトルにない情報から候補を探します。
サブタイトルから考えるのではなく、正式タイトルに何が足りないかを探す。この順番なら、余計な言葉を増やさずに済みます。
抽象的なタイトルには具体的な情報を足す
実用書でも、タイトルに少し印象的な表現を使うことがあります。
たとえば、
会社を辞める前に読む本
というタイトル。
目には留まりますが、これだけでは転職について書いた本なのか、退職手続きなのか、独立や副業についてなのか判断できません。
そこで、
定年前に得意なことから小さく副業を始める方法
と補えば、対象となる読者と本の内容が具体的になります。
タイトルとサブタイトルを作るときは、具体と抽象のバランスも見ます。
タイトルが抽象的なら、サブタイトルまで抽象的にすると中身が見えません。
たとえば、
タイトル
わたしの時間を取り戻す
サブタイトル
これからの人生を自分らしく生きる方法
この組み合わせでは、どちらも考え方や生き方を表す言葉なので、何を扱った本なのか判断しにくいでしょう。
タイトルに印象的な言葉を使うなら、サブタイトル側で「50代」「働き方」「副業」「介護」「家計」など、本の中身を判断できる具体的な言葉を補う方法があります。
反対に、タイトルですでに対象読者やテーマが具体的なら、サブタイトルまで説明を重ねる必要はありません。
サブタイトルを長くしすぎない
サブタイトルに入れられる情報が見つかると、今度は全部入れたくなります。
誰向けかも伝えたい。本の特徴も入れたい。方法も結果も書きたい。検索されそうな言葉も入れたい。
これを一文に押し込むと、タイトルよりサブタイトルのほうが目立つほど長くなることがあります。
Amazonの販売ページでは、タイトルとサブタイトルは別の項目として登録され、商品ページでは組み合わせて表示されます。表示環境によっては、長い書名が一度に見渡しにくくなることも考えておきたいところです。
表紙では、さらに影響が大きくなります。
長いサブタイトルをすべて表紙に載せようとすれば、その分だけ文字を小さくする必要があります。Amazonでは小さなサムネイルで表紙を見る場面も多いため、文字数を増やした結果、肝心のタイトルまで読みづらくなっては本末転倒です。
「入れられる情報」ではなく、購入前の読者に知らせる必要がある情報を残します。

Kindle本のサブタイトルを作る手順
サブタイトルは、思いついた言葉を足していくより、完成した原稿と正式タイトルから逆算すると作りやすくなります。
まず、完成した原稿を見ながら正式タイトルを書き出します。
そのうえで、
「このタイトルだけを見た人には、まだ何がわからないか」
を考えます。
たとえば、料理本の正式タイトルを、
平日の作り置き弁当
とします。
タイトルから、平日用のお弁当と作り置きがテーマであることはわかります。
原稿を確認すると、「日曜日にまとめて準備する」「朝は詰めるだけ」「料理が苦手な会社員向け」という特徴があったとします。
この中から、その本を選ぶ理由になりそうな情報を使って、
日曜日にまとめて作って朝10分で完成する初心者向けレシピ
といった候補を作れます。
候補ができたら、タイトルとサブタイトルを必ずセットで読みます。
単独ではよく見えても、並べた途端に同じ言葉が何度も出てきたり、日本語として不自然になったりするからです。
最後に原稿と照合します。
「朝10分」と書いたなら、本当に原稿でその方法を説明しているか。読者に約束する内容と本文が一致しているかまで確認します。
検索される言葉を調べるのは、この段階です。
先にキーワードありきで書名を作るのではなく、本の内容に合う候補の中から、読者が検索に使う言葉を選ぶほうが、不自然なタイトルになりにくくなります。
検索される言葉をサブタイトルにどう入れるか
正式なタイトルとサブタイトルを仕上げる段階では、読者がどんな言葉で本を探すのかも確認します。(SEO)
たとえば、50代の会社員が副業について調べる本なら、「50代」「会社員」「副業」といった言葉は検索するときにも使われやすく、本の内容を具体的に伝える言葉でもあります。
タイトルだけにすべての言葉を入れようとすると長くなるため、サブタイトルまで含めて考えると、検索される可能性のある言葉を自然に使える範囲が広がります。
ただし、検索されそうだからという理由だけで言葉を追加するのはおすすめしません。
たとえば、
タイトル
これからの私
サブタイトル
50代 女性 生き方 仕事 副業 セカンドライフ 自分らしく生きる方法
検索されそうな言葉は並んでいますが、本のタイトルとしてはかなり不自然です。
同じテーマでも、
50代から仕事と暮らしを見直し、自分らしい人生を選び直す方法
とすれば、「50代」「仕事」「暮らし」「自分らしい人生」といった具体的な言葉を、文章として読める形で入れられます。
検索対策を考えるときは、先にキーワードを決めて本を寄せるのではなく、完成した原稿に実際に書かれている内容から検索語を探します。
Amazonで同じテーマの本を検索し、どんな言葉がタイトルに使われているかを見る。Googleでテーマを検索し、読者がどんな言葉で情報を探しているかを確認する。そこで見つけた言葉の中から、自分の本の内容と一致するものだけを候補にします。
検索される言葉を入れる目的は、キーワードの数を増やすことではありません。
その本を探している読者が使う言葉と、本の内容を表す言葉を一致させること。
検索対策(SEO)を意識するなら、この基準でタイトルとサブタイトルを見直します。
サブタイトルでよくある失敗
サブタイトルを作ったあと、次のような状態になっていたら修正します。
情報を詰め込みすぎている
たとえば、
40代50代の初心者でもスマホとCanvaを使って今日から簡単に始められる売上につながるInstagram集客完全ガイド
対象読者、ツール、難易度、開始時期、目的まで入っています。
情報は多いのに、どこがこの本の特徴なのかつかみにくくなっています。
原稿の中心が「Canvaを使った投稿作成」なら、そこを残す。集客全体を扱う本なら、ツール名を外す。本の中心から遠い情報を削る作業が必要です。
本文にない結果を約束している
サブタイトルは本を魅力的に見せる場所でもありますが、本文以上のことを書いてはいけません。
家計の見直し方を説明する本に、
1年で100万円貯める方法
と付けるなら、原稿の中にその根拠と方法が必要です。
具体的な数字や成果を入れるほど目立ちますが、その分、読者は「この本を読めばそこまでできる」と受け取ります。
魅力的に見えるかより、原稿と一致しているかを優先します。
タイトルもサブタイトルも中身が見えない
タイトル
これからの私
サブタイトル
人生をもっと自由に楽しむために
エッセイなら、この抽象性自体が作品の雰囲気になる場合があります。
一方、悩みを解決するKindle本として販売するなら、検索結果で見た読者は何を学べる本なのか判断できません。
タイトル
これからの私
サブタイトル修正案
定年を迎える前に考えたい、仕事とお金とこれからの暮らし
抽象的なタイトルを使う場合は、サブタイトル側で対象やテーマを具体化します。
出版前のサブタイトル確認チェック
最後は文章を考える作業ではなく、Amazonに登録する前の確認作業としてチェックします。
□ KDPへ入力するタイトル・サブタイトルと表紙の表記に食い違いがない
□ 著者名やシリーズ名など、別の情報をサブタイトルへ紛れ込ませていない
□ 数字や成果を入れた場合、原稿内に説明できる根拠がある
□ タイトルと続けて読んだとき、不自然な重複がない
□ スマートフォン程度の大きさで表紙を見ても主要な文字を判別できる
□ 原稿完成後に削った内容を、サブタイトルに残していない
□ 誤字、数字、英字表記、商品名などを最終原稿と照合した
特に最後の「原稿完成後に削った内容」は見落としやすいところです。
企画段階では入れる予定だった内容が、執筆中に変わることがあります。昔作ったサブタイトルをそのまま使うと、本には書いていない内容をAmazonで約束してしまう可能性があります。
サブタイトルは、タイトルを派手にする飾りではありません。
タイトルを読んだ人が購入を判断するとき、まだ足りない情報を補う。
この基準で削っていけば、長い説明文にしなくても、本の特徴を伝えやすくなります。
