Kindle本のテーマを読者の悩みから決める方法|初心者向け具体例つき

「転職した経験があります」
「親の介護を経験しました」
「50代から副業を始めました」

こうした経験は、Kindle本を書く材料になります。
ただ、経験そのものが本のテーマになるとは限りません。

たとえば、
「50代で副業を始めた経験」
これだけでは、何を書く本なのかまだ広すぎます。

副業を始めるまでの体験談を書くのか。
副業の選び方を書くのか。
会社員として身につけた経験を仕事にする方法を書くのか。

同じ経験から、まったく違う本を作れます。

そこで考えたいのが、
「この経験の何を、読者は知りたいのか?」

自分の経験を全部書くのではなく、今困っている読者に必要な部分を取り出すと、
Kindle本のテーマが具体的になります。

目次

経験をそのままテーマにすると広すぎる

たとえば、50代で初めて副業に挑戦した人がいるとします。

始める前は、
「お金を稼ぎたい。でも自分に何ができるかわからない」
「スクールに入ったほうがいい?」
「今までの仕事を活かす? 未経験の仕事に挑戦する?」
と、モヤモヤ迷っていたかもしれません。

ところが、実際に副業を始めてみると、「これまで普通にやってきた仕事の中に使えるものがあった」と気が付きます。

毎日作っていたExcelの資料。
新人に教えていたパソコン操作。
職場では当たり前だったことが、苦手な人にとってはお金を払ってでも頼みたいことだった。

この経験なら、「50代から始める副業」より、
「自分には何もないと思っている50代会社員が、これまでの仕事から副業の種を見つける方法」
までテーマを絞れます。

読者が知りたいのは、著者の会社員人生を最初から最後まで読むことではなく、
「自分にも使える経験があるのか」
「それをどう見つければいいのか」
という部分です。

自分の経験から、読者が知りたいだろう部分だけを取り出してみてください。

 

読者の悩みは「できなかった頃の自分」から探す

自分自身をちょっと振り返ってみましょう。
今は簡単にできることでも、最初からできたわけではありませんよね。

Kindle本のテーマを決めるときには、できなかった頃まで戻ってみます。

50代で副業を始めた人なら、副業を始める前に何で困っていたでしょうか。

「何を仕事にすればいいかわからなかった」
「特別な資格がないと無理だと思っていた」
「失敗してお金を失うのが怖かった」

経験した本人だから思い出せる迷いがあります。

次に、その頃の自分が何を知りたかったのか考えます。

自分に向いている副業を知りたかった。
未経験でもできる仕事を探したかった。
50代から始めても遅くないのか知りたかった。

ここまで来て初めて、当時どんな言葉で調べていたかも振り返ります。

 

たとえば、

  • 50代 副業 おすすめ
  • 副業 何ができるかわからない
  • 未経験 副業 始め方

検索した言葉だけを拾うのではなく、その言葉を入力したとき、何に困っていたのかまで戻ります。

そこに本のテーマになる材料があります。

自分には「当たり前」でも初心者には知りたい情報

長く仕事をしているほど、自分が持っている知識を過小評価しがちです。
毎日やっているので、わざわざ説明するほどのことではないと思ってしまいます。

Kindle出版でも同じです。
何度も出版している人なら、KDPの管理画面を開くことも、税務情報を入力することも日常の作業です。

でも、初めて出版する人は違います。

「この項目には何を入れるの?」
「間違えて登録したらどうなる?」
「出版するボタンを押したら、もう修正できない?」

経験者なら気にも留めないところで止まります。

だからテーマを探すときは、
「こんなこと、誰でも知っている」
と思っていることほど、一度疑ってみます。

昔の自分が知らなかったことなら、今の初心者も同じところで困っている可能性があります。

お客さんから何度も聞かれることを確認する

仕事をしている人なら、お客さんから受けた質問も見直してみてください。
同じことを何度も聞かれていないでしょうか。

たとえば、
「どれを選べばいいですか?」
「最初に何を準備すればいいですか?」
「失敗しないために、どこを確認すればいいですか?」

自分では簡単な質問だと思っていても、別のお客さんからも同じ質問が来るなら、その説明を必要としている人がいるということです。

メール、相談記録、講座の質問、SNSのDMなどに残っている言葉も確認できます。

自分で読者の悩みを想像するより、実際に聞かれた質問を見るほうが具体的です。

Amazonレビューから「説明してほしかったこと」を探す

自分の経験だけでは読者像が見えにくい場合は、同じテーマの本をAmazonで探してみます。

見るのは売上ランキングだけではありません。
レビューの内容です。

たとえば、
「初心者向けと書いてあったけれど難しかった」
という感想があったとします。

この一文だけで判断せず、何が難しかったのかまで読みます。

専門用語の説明がなかったのか。
手順が途中から省略されていたのか。
具体例がなく、自分の場合に置き換えられなかったのか。

反対に、
「ずっとわからなかった○○が、やっと理解できた」
というレビューなら、その読者は○○について困っていたことがわかります。

レビューを見る目的は、人気本の内容を真似することだけではありません。
実際の読者が何に困り、何を知りたかったのかを調べるためです。

SNSのコメントやQ&Aなども同じように使えます。
読者の質問や感想のなかに、本のテーマが隠れています。

読者の悩みを本のテーマへ変える

読者の悩みが見つかったら、自分の経験と組み合わせます。考える項目は4つです。

項目 考えること
自分の経験 何を経験してきたか
当時の悩み その頃、何に困っていたか
読者 今、同じことで困っているのは誰か
本で伝えること 自分の経験のどの部分が役立つか

具体例で見てみましょう。

例1 50代から副業を始めた

経験
50代で初めて副業を始めた

当時の悩み
自分には仕事にできるものがないと思っていた

読者
副業を始めたいが、自分に何ができるかわからない50代会社員

テーマ候補
これまでの仕事や得意なことから副業の種を見つける方法

例2 親の介護を経験した

経験
働きながら親を介護した

当時の悩み
突然介護が始まり、仕事とどう両立すればいいかわからなかった

読者
親の介護が始まった50代会社員

テーマ候補
仕事を続けながら親の介護を始めるための準備

例3 資格試験に合格した

経験
仕事をしながら資格を取得した

当時の悩み
勉強時間を確保できなかった

読者
資格を取りたいが、仕事が忙しく勉強時間を作れない会社員

テーマ候補
忙しい会社員が資格試験の勉強時間を作る方法

 

「副業」「介護」「資格取得」のような経験だけだったものが、
誰が、何に困っていて、その経験から何を伝えるのかまで決めると、1冊のテーマとして扱いやすくなります。

失敗例|経験を最初から全部書こうとする

20年の仕事経験がある。
転職もした。
資格も取った。
管理職も経験した。
副業も始めた。

せっかく本を書くなら全部入れたいと思うかもしれません。
ところが全部入れると、読者から「何を解決してくれる本なのか」が見えにくくなります。

今回の読者が、
「50代になって副業を始めたいけれど、自分には何もないと思っている人」なら、その悩みに関係する経験だけを取り上げます。

一冊の本に、自分の人生全部を詰め込んでしまうのは、とてももったいない!
今回使わなかった経験は、別の本にできます。
ブログやnoteの記事にも使えます。

自分史と実用書では同じ経験でもテーマが変わる

経験そのものを書き残したい場合は、自分史やエッセイという形があります。

エッセイなら、必ずしも読者の悩みを解決する必要はありません。
自分が経験した出来事や、そのとき感じたこと、そこから考えたことを自分の言葉で残せます。
同じような経験をした読者から「わたしもそうだった」と共感してもらいやすいのも、エッセイの良さです。

一方、自分の経験を誰かの問題解決に役立てるなら、読者が必要としている部分を取り出します。

読者が「どうすればいいかわからない」と困っていることに対して、自分が経験してわかったことや、失敗から学んだことを具体的な方法として伝えられます。読者に役立つだけでなく、著者の経験や専門性を知ってもらい、仕事やサービスへの信頼につながりやすいのも実用書のメリットです。

たとえば「50代で副業を始めた」という同じ経験でも、

自分史・体験記→50代で初めて副業に挑戦したわたしの記録

実用書→自分には何もないと思っている50代会社員が、仕事経験から副業の種を見つける方法

では、本の中身が変わります。

どちらを書く場合でも、自分の体験は本の大切な材料になります。
違うのは、体験談を何のために使うかです。

エッセイでは、経験した出来事やそのときの感情、そこから考えたことが主題になります。

実用書では、読者の悩みを解決するために体験談を使います。
「自分もここで失敗した」「こう変えたらうまくいった」といった実体験が入ることで、ノウハウだけを並べるより内容が具体的になり、著者だから書ける本になります。

読者の悩みを想像だけで作らない

「こんな人が困っているはず」と、自分の想像だけでテーマを決めると、実際の読者が知りたいこととズレる場合があります。

テーマ候補ができたら、実際にその悩みを持つ人がいるか確認します。
お客さんから受けた質問、Amazonレビュー、SNSのコメント、Googleの検索結果などを見てみます。

  • 昔の自分が実際に困ったこと
  • お客さんから受けた質問
  • 相談や講座で繰り返し聞かれること
  • Amazonレビュー
  • SNSのコメント
  • Googleなどで実際に検索されている言葉

複数の場所で似た悩みや質問が見つかれば、そのテーマを必要としている人がいるかどうかを判断する材料になります。

Kindle本のテーマを決める前のチェックリスト

テーマの候補ができたら次の項目を確認してください。

□ 自分の経験を一言で説明できる
□ その経験の中で、当時困っていたことを思い出せる
□ 同じことで困っている読者を具体的に想像できる
□ お客さんの質問やレビューなど、実際の声も確認した
□ 読者が何を知りたいのかわかる
□ 自分の経験の中から、読者に必要な部分を選んでいる
□ 一冊で扱える内容まで絞れている

「50代の副業について」のように大きな言葉しか出てこない場合は、まだテーマを絞れます。

まとめ:昔の自分の悩みを書いてみる

テーマが決まらないなら、スマホや紙のメモに
「以前のわたしは、何に困っていた?」
と書いてみてください。

次に、
「そのとき、何を知りたかった?」と続けます。

そして、
「今、同じことで困っているのは誰?」まで考えます。

自分では当たり前になってしまった経験でも、そこへ来るまでに迷ったこと、失敗したこと、調べたことがあります。その中に、今の読者が知りたいことが残っています。

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