「ChatGPTに文章を書いてもらったあと、ほとんど自分で書き直しました。これってAI生成ですか?」
この質問、かなり迷いますよね。
原型がほとんど残っていないなら、自分で書いたことになるような気もします。
ところが、Amazon KDPの基準は明確です。
最初の文章そのものをAIが作ったなら、あとから大幅に編集してもAI生成です。
反対に、自分で文章を書き、AIに推敲や誤字脱字の確認をしてもらった場合はAIアシスト。こちらはKDPへの申告が必要ありません。
2026年8月10日現在、KDPはこの2つを明確に分けています。
この記事では、自分のAIの使い方がどちらに当たるのか、実際のKindle制作に置き換えて見ていきます。
AI生成とAIアシストは何が違う?
Amazon KDPでは、AIが作成したテキスト、画像、翻訳を「AI生成コンテンツ」としています。
一方、自分で作った文章や画像をAIで編集、改良、エラーチェックした場合は「AIアシスト」です。
AIにアイデアを出してもらい、そのアイデアを参考に自分で文章や画像を作った場合もAIアシストに含まれます。
Kindle出版でよくある使い方に置き換えると、次のようになります。
| AIの使い方 | KDPでの扱い | AI生成の申告 |
|---|---|---|
| AIに本文を書かせ、その文章を使う | AI生成 | 必要 |
| AIが書いた本文を大幅に書き直して使う | AI生成 | 必要 |
| AIで表紙画像や挿絵を生成して使う | AI生成 | 必要 |
| AIに翻訳させ、その翻訳を使う | AI生成 | 必要 |
| 自分で書いた文章をAIに推敲してもらう | AIアシスト | 不要 |
| 自分の文章をAIで誤字脱字チェックする | AIアシスト | 不要 |
| AIからテーマ案をもらい、自分で本文を書く | AIアシスト | 不要 |
| AIと相談し、自分で最終的な文章や画像を作る | AIアシスト | 不要 |
この表で判断できないときは、作業時間やAIを使った回数を数える必要はありません。
見るのは、出版する文章や画像を最初に誰が作ったかです。
ChatGPTに相談しただけならAIアシスト
たとえば、50代女性向けの片づけ本を書こうとして、
50代女性向けの片づけ本を書きたい。テーマ案を出して。
とChatGPTに相談したとします。
AIから出てきた案を参考に、自分でテーマを決め、自分の経験や知識をもとに本文を書いた。
これはAIアシストです。
目次作りでも似た使い方ができます。
自分が書きたい内容をAIに伝えて、章立てについて相談する。提案されたものを見ながら必要な項目を選び、順番を変え、自分で最終的な目次を作る。
KDPは、AIを使ってアイデアを引き出し、最終的なテキストや画像を自分で作った場合をAIアシストと定義しています。
わたしも、AIはこういう作業によく使います。
頭の中には書きたいことがあるのに、うまく整理できない。そんなとき、AIに質問してもらったり、抜けている内容を探してもらったりすると考えを整理しやすくなります。
完成品を作ってもらうというより、相談相手になってもらう使い方です。
AIが書いた本文を使ったらAI生成
使い方を少し変えてみます。
このテーマで15000文字の文章を書いて。
ChatGPTにこう頼んで、生成された文章をKindle本の原稿に使った。
これはAI生成です。
Amazonは、AIベースのツールを使って「実際のコンテンツ」を作成した場合をAI生成と定義しています。対象はテキストだけではなく、画像と翻訳も含まれます。
「AIを使った」という事実だけで決まるのではなく、AIが出版物そのものを作ったかどうかを見るとわかりやすくなります。
大幅に書き直してもAI生成になる
判断に迷いやすいのが、このケースです。
AIに1万5000文字ほど書いてもらった。
そこへ自分の体験談を追加し、言葉遣いも変えた。不要な部分をかなり削って、ほとんど原型が残っていない。
「これだけ直したら、もう自分の文章では?」
と思いたくなります。
KDPでは、AIが実際のコンテンツを作った場合、あとから大幅に編集してもAI生成として扱います。
Amazonの公式ページには、「何%書き直したらAIアシストになる」といった割合の基準はありません。
したがって、
「80%書き直したから申告不要」
「AIの原文がほとんど残っていないから大丈夫」
といった判断には、KDP公式の根拠がありません。
わたしは、元になる本文をAIに書かせたならAI生成として扱っています。
AI生成と申告すること自体を怖がる必要もありません。AI生成コンテンツであることだけを理由に、KDPが一律に出版を禁止しているわけではないからです。
AIで作った表紙や挿絵もAI生成
文章より判断しやすいのが画像です。
画像生成AIへ、
コーヒーカップのある書斎の画像を作って。
と指示し、生成された画像をKindle本の表紙に使った。
これはAI生成です。
その画像をCanvaへ持っていき、自分でタイトルや著者名を入れたとしても、元の画像をAIが作った事実は変わりません。
KDPはAI生成画像に、表紙、本文中の画像、アートワークも含めています。
では、自分で撮った写真をAI機能で補正した場合はどうでしょう。
KDPでは、自分で作ったコンテンツをAIツールで編集、改良、エラーチェックなどをした場合をAIアシストとしています。自分で撮影した写真を元にAI機能で調整したケースは、この定義に照らして判断することになります。
ただし、画像編集AIには、元画像に存在しなかった物や背景を新たに生成する機能もあります。
どこまで加工すればAI生成になるのかについて、KDP公式ページには画像編集の具体例まで掲載されていません。
判断できないケースを「たぶんAIアシスト」と決めつけないほうが安全です。
AIアシストなら何をしてもいいわけではない
AIアシストは、KDPへのAI生成コンテンツとしての申告は不要です。
ただし、これは申告区分の話です。
KDPはAI生成、AIアシストのどちらについても、コンテンツガイドラインを守り、適用される知的財産権を遵守する責任を著者や出版者に求めています。
たとえば、AIが出した文章の中に間違った情報があれば、AIアシストかAI生成かに関係なく修正が必要です。
他人の権利を侵害する文章や画像も使えません。
Amazonは、ガイドラインに従っていないコンテンツを却下または削除する場合があり、必要に応じて販売前に本について追加情報を求めることもあると説明しています。
Kindleコンテンツの品質ガイドでも、内容に誤りがある本、読者の期待に沿わない本、快適な読書体験を提供しないコンテンツなどについて基準が設けられています。
「AIアシストだから安心」まで話を広げないことです。
申告不要と、本として問題がないことは同じではありません。
迷ったら「最初に誰が作った?」を確認する
わたしは、AI生成かAIアシストか迷ったとき、作業をさかのぼって考えます。
たとえば本文なら、
自分で書いた本文をAIに見せたのか。
AIが書いた本文を自分が直したのか。
この2つは似ているようで、KDP上の扱いが違います。
前者はAIアシスト、後者はAI生成です。
表紙画像なら、自分が作った画像をAIで調整したのか、画像そのものをAIに生成してもらったのか。
AIを何時間使ったか、何回質問したかは、KDP公式の判定基準として示されていません。
出版するコンテンツが作られた過程を見ます。
Kindle出版でAIを使ったときの確認リスト
出版申請を始める前に、AIを使った箇所を一度確認しておくと申告で迷いにくくなります。
- □ 本文そのものをAIに書かせた箇所がある
- □ AI翻訳をそのまま、または編集して使っている
- □ 表紙にAI生成画像を使っている
- □ 本文の挿絵やアートワークにAI生成画像がある
- □ AIに相談しただけで、最終的な文章は自分で書いた
- □ 自分で書いた文章の推敲や誤字確認だけAIに頼んだ
- □ AIを使った箇所がわからなくなっていない
上4項目に該当するものがあれば、KDP公式のAI生成の定義を確認してください。
制作期間が長い本ほど、「この画像、どうやって作ったっけ?」となることがあります。AI生成画像やAIに書かせた原稿を使うなら、制作中から簡単に記録しておくと出版申請時に確認しやすくなります。
よくある質問
ChatGPTが書いた文章を自分で大幅に修正しました。AI生成ですか?
KDPの定義ではAI生成です。AIツールが実際の文章を作成した場合、その後に大幅な編集をしてもAI生成として扱われます。
ChatGPTに目次案を出してもらった場合も申告しますか?
AIからアイデアを引き出し、最終的なテキストを自分で作成した場合は、KDPではAIアシストと定義され、申告は不要です。目次そのものをAIが生成し、その生成物を使う場合については、公式定義に照らして判断する必要があります。
自分の文章をChatGPTに推敲してもらった場合は?
自分で作成した文章をAIで編集、改良、エラーチェックした場合はAIアシストです。KDPへのAI生成コンテンツとしての申告は不要です。
AI画像にCanvaで文字を入れればAIアシストになりますか?
元の画像をAIが生成したのであれば、KDPの定義ではAI生成画像です。KDPは表紙や本文の画像、アートワークもAI生成コンテンツの申告対象に含めています。
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